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これからの法改正の動き

これからの法改正の動き

イノベーション活性化を図る科学技術基本法の見直し

世界の大学ランキングトップ200に入る大学が減り、トップ10%論文数での世界シェアが低下するなど、近年、わが国の科学技術力・イノベーション力が相対的に落ちているという危機感があります。
激化する国際競争を勝ち抜くには、イノベーションの活性化に重点を置いた制度改革が急務なことから、2008年に「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」(科技イノベ活性化法)が設けられました。
さらに、昨年10月に公開された「科学技術基本法の見直しの方向性について」では、科学技術基本法改正に際して検討すべき論点について、「イノベーションの創出」を導入するとしています。
改正後の基本法の「科学」とは、およそあらゆる学問の領域を含む広義の意味とし、基本法上の「科学技術」とは、科学に裏打ちされた技術のことではなく、「科学および技術」の総体を意味することとされていました。
その内容を反映させてまとめられた「科学技術・イノベーション創出に係る制度改革の方針」において、科学技術基本法の見直しの方向性が示されています。

●科学技術基本法の見直し

イノベーションの重要性や人文科学自体の振興の必要性等に鑑み、「イノベーションの創出」の概念や「人文科学のみに係る基本技術」を基本法に含めます。あわせて法律名も変更し、近年の科学技術・イノベーション政策の動向をふまえて、必要な規定を追加します。

●科技イノベ活性化法等の見直し

基本法と同様に、科技イノベ活性化法にも「人文科学のみに係る科学技術」を追加し、人文科学分野等の独立行政法人も法の対象機関に追加します。
産官学連携を活性化するため、研究法人の出資規定の整備を行なうことを検討します。また、日本版SBIR制度を同法に位置づけ、制度目的を中小企業の「経営強化」から「イノベーションの創出」に見直すとともに、内閣府を中心とした各省連携の取組等を強化します。
政府はこの方針をもとに、総合科学技術・イノベーション会議基本計画専門調査会制度課題ワーキンググループの報告書等をふまえて法改正案を作成し、今通常国会で成立を目指す予定です。

注目したい法改正の動向

  • デジタル化に即した情報活用
  • AIによる深層学習での利用など、デジタル化・ネットワーク化の進展に対応するために「柔軟な権利制限規定」を新設する著作権法と、プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の改正案が閣議決定されました。
  • 販売預託商法への規制強化
  • 社会の高齢化等に伴い、消費者の脆弱性につけ込む形の悪徳商法が後を絶たない状況にあることから、消費者庁に特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会が設けられました。
    悪質ないわゆる「販売預託商法」への規制強化についての論点を整理し、今夏をめどに一定の結論を得るとしています。
  • 民事裁判手続きの整備
  • 政府は2022年をめどに民事訴訟法等を改正し、民事司法制度改革を進める方針を示しています。
    その一環として、民事司法制度改革推進に関する関係府省庁連絡会議が、国際競争力強化という観点から民事裁判手続き等の全面オンライン化、越境消費者紛争への対応力強化等の論点と改革の方向性をとりまとめています。
  • 地域共生社会の実現
  • 地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応する包括的な福祉サービス提供体制を整備する観点から、社会福祉法、介護保険法等の改正案が閣議決定されました。
    担い手の経営基盤強化のための社会福祉連携推進法人制度の創設、介護福祉士の資格取得についての国家試験義務付けに係る5年間の経過措置をさらに延長することなども示されています。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック